グルタミン酸ナトリウム
久しぶりの更新です。
食に興味のある皆さんはアミノ酸という単語はご存知でしょう。人体構成要素であるタンパク質の構成分子で必須のものが20種類、化学構造が違うものを加えていくと星の数ほどあるカテゴリの化学物質です。
味覚で感じることができる味は甘味・塩味・酸味・苦味・旨味であると言われていますね。その旨味にの元になっている化学物質の一つがこのグルタミン酸ナトリウムです。
CAS No, 142-47-2
予め宣伝をするわけではないと断っておきますが、最初にこの物質に着目し、製品化したのが味の素で、当時は昆布から抽出していたようです。
化学がわかる人向けに雑学を発信しますと…
旨味を発現するのはL体のみであります。当時は光学分割する技術などはなく根気よくカラムで少量のL-Gluを選別していたそうです。それを種晶にしてL体がを多く含むように結晶化します。残ったD体を水酸化ナトリウム水溶液で強熱し、わざとラセミ化させそこからまた上記の手法でL体のみ結晶化するという手法を持っていたそうです。
化学屋じゃない方は読み飛ばして下さい…要するにとっても面倒くさいことをして作っていたそうです。
この物質のお陰で旨味調味料は飛躍的な進歩を遂げました。それまでは昆布やかつを節から出しをとって吹きこぼさないように、煮過ぎないように気をつけながらじっくり出汁をとらなくてはならなかったものが、スプーン数杯のだしのもとで、だしつゆが取れるようになったのですから!
我が家でも普段使いとして重宝していますが、やっぱりちゃんと出しをとったほうが美味しいですわね。かつお節や昆布からとっただしはグルタミン酸ナトリウムだけが含まれているわけではなく、様々な構成要素があってあの素晴らしい風味を出しているのですから。便利なものとほんとに美味しいものを賢く使い分けておいしい食事をいただきましょう。
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